著者は伊東材祐(さいゆう)。2024年3月28日 初版第1刷発行。
心に響いた言葉
はじめに
- 歯みがきとは、病原菌の除去。
- 病原菌の居場所を捉え、性質を捉え、どう磨けばよいか考えながら磨いていくこと。
第1章 虫歯菌と歯周病菌の全貌解剖
- 歯みがきで特に気を付けるのは、虫歯菌と歯周病菌の除去。減らすことはできてもゼロにはできない。
- 口臭予防や食べかす除去はおまけ。歯磨きの本質は除菌。
- 多くの菌は生後6か月の乳歯が生え始めるタイミングで両親から感染する。特に奥歯が生える2歳半から要注意。
- 虫歯菌は糖を食べると、グルカンと乳酸を出す。
- グルカンは水にも溶けないネバネバ。プラークを作る。プラークはうがいや唾液では落とせない。プラークから乳酸で歯を溶かす。
- 虫歯菌が歯の表面に定着 ⇒ 糖を食べてどんどん数を増す ⇒ 乳酸を出す ⇒ 虫歯になる。
- 歯周病菌は歯周ポケットに多く繁殖している。歯周病菌は世界でもっとも蔓延している病気。
歯周病菌は16歳ぐらいから、急激に増える。
歯周病菌は舌に集まりやすく、そこから歯に定着する。 - 歯周病菌は空気が嫌いなため、プラークや歯肉溝に入り込む。歯肉溝は歯肉溝浸水液にアミノ酸が含まれるため、エサに困らない。歯周病菌により歯茎が腫れ、歯肉溝が広がり、歯周ポケットと呼ばれるようになり、歯肉炎と診断される。
- 炎症とは外敵が侵入した個所や傷ついた箇所に血液を集めて、免疫細胞を送り込み、戦いを有利に進めていく。
- 歯周病菌に免疫細胞は勝てない。
歯周病菌は免疫細胞から身を守るだけではなく、ステルス性もある。
ジンジパインの酵素で免疫細胞を攻撃する。 - 歯周病によって引き起こされる代表的な病気は糖尿病。
歯周病が慢性化して、炎症性サイトカインが放出され続ける。
炎症性サイトカインはインスリンの働きを妨げる。
インスリンが働かなくてブドウ糖を細胞が取り込まないので、血糖値が下がらない。
血糖値が下がらないと糖尿病になる。
血液がドロドロになり、免疫細胞の動きも鈍くなり、免疫力が低下する。 - 健康に生きるためには、虫歯菌、歯周病菌の駆除は絶対に必要。
- 誤嚥性肺炎は口内の細菌が気管から肺に流れていくことが原因。
夜寝ている間に歯周病菌などの病原菌が、だらだらと喉から気管に流れていくことや、起きている時に誤って気管に飲み込むことで発症する。 - 歯周病は歯肉破壊により、細菌が血管に入る。血流により、心臓に届くと細菌性心内膜炎の原因になる。
- 歯周病が血管を伝って全身にめぐると血管が狭くなり、血管が詰まり、血管事故が起こりやすくなる。
心筋梗塞、脳卒中、虚血性心疾患、抹消動脈疾患など - 歯周病菌の炎症反応でアルツハイマー型認知症が促進される。
- 歯周病菌は約20種類。そのうち3種類が凶悪。
第2章 今日から大人の歯磨き始めませんか?
- 病気の種である虫歯菌や歯周病菌をセルフケアで除去できる唯一の方法が歯みがき
- 塩は浸透圧効果があるため、歯茎から余計な水分を取り除く。歯茎を引き締める効果がある。
歯茎がどんどんピンク色になる。
天然塩は食塩相当量が90g以下が好ましい。 - 1回10分間の歯磨きが必要。
歯ブラシはペンを持つように持つ。
圧力は200gほど - 歯みがきで血が出ても気にしない。どんどん血を出し切る。
血液には大量の炎症性物質や歯周病菌が含まれている。 - 毎月1日に歯ブラシを交換する。
歯ブラシはおろしたてが一番プラークを除去できる。 - フロスを上下前後に動かしてプラークを除去する。
痛みを感じない程度にする。 - 歯垢染色剤は液体より錠剤タイプがおすすめ。
第3章 日常で気になるお口の中の疑問
- 菌活をして口の中の善玉菌を増やす。ぬか漬けやみそ汁がよい。
- 口を開けたまま寝ると虫歯菌や歯周病菌が繁殖する。マスクして寝るなど。加湿器も良い。首や肩のマッサージ。
- 風邪をひいたときは免疫力が低下する。口内の病原菌が活発に活動する。
風邪を引いたときは水分を取って汗をかく。歯磨きをする。 - 口内の病原菌から発症する肺炎。
スポンジブラシで歯茎の細菌を除去すると肺炎予防になる。 - もし甘いものが食べたいときは高級な和菓子が良い。高級な和菓子は天然のはちみつや黒砂糖、あんこ、体に優しい糖分が含まれている。
- 2種類の舌回し運動をすると健康と美が手に入る。大人の歯磨きの後に舌回しを各10回、舌スイングを往復10回。
- 30回噛むと多くのメリットがある。消化に良い。満腹神経が刺激され、少ない量でも満足できる。βエンドルフィンやアドレナリンが出る。記憶力が良くなる。顔の筋肉を使うので、脳に血液が行き、活性化する。
- ペットとキスすると、人間の口内にはいない病原細菌が口内に入り込むことで病気になる。ペットも歯周病になる。
第4章 歯科医院の賢い選び方
- 歯の治療は歯科医院のレベルはそれほど変わらないが、予防に関しては歯科医院選びは難しい。
- 選んではいけない歯科医院・・・
①根の治療をしっかりしない
②治療の順番が謎。まずはプラークや歯石の除去を始めてから歯科治療するのが定石。
③嚙み合わせを考慮していない。
④説明不足 - 歯垢染色剤を使って歯を染め上げてくださいといえば、この患者さんは歯科関係者の方かと思われる。
予防のための徹底的な歯みがき指導やクリーニングを入念にしてくれる。
おわりに
- 歯の健康のためには、歯茎を含めた口内全体の病原細菌の除去と歯ぎしりなど、歯への異常な力をかけない力のコントロールの2つ
- 歯の汚れをネガティブな想いに見立てて、きれいさっぱり水に流し、歯や歯茎にありがとう、ありがとうと心で唱えながら歯磨きをする。
- 歯は食べ物を小さくする消化機能を果たし、栄養を供給する。噛むことでストレスを解放し、脳を活性化する。
- 歯を愛する。