著者は片岡鶴太郎。2017年4月15日 初版第1刷発行。62歳のときに書いた本。

心に響いた言葉

はじめに

  • 退職して仕事の付き合いが絶たれると人間関係がリセットされ、立ち往生してしまう夫が増えている。
  • 定年退職後に妻にまとわりつく夫 = 濡れ落ち葉族 = 妻にべったりの夫
  • 誰もが心の中に、自分の魂を歓喜させるシードを育んでいる。
  • 私の魂は何をすれば歓喜するのか?シードが見つかったら毎日コツコツ水をやる。
  • ものまねをする。守破離。人生を愉快にするのはものまねから。
  • 毎朝起きるのが楽しみでしょうがない、人生はこの上ない幸せ。

序章 ”ものまね”からスタート

  • 何かを会得していくには”反復練習”しかない。
  • 真似ることが学ぶにつながる。
  • 最終的に何を求めているか、”魂の歓喜”。自分が喜ぶかどうか、楽しいかどうか。

1章 62歳、まだまだやりたいことだらけ

  • 朝の3時、遅くても4時に起床。ヨーガをやって、水シャワーを浴びて、1日1食の朝食を2時間かけてゆっくり食べる。
  • 夜の7時か8時には寝る。
  • ヨーガと出会ったのは57歳のとき。最初は瞑想がやりたかった。
  • 毎日、反復練習することで、できるようになっていく。
  • 30分の呼吸法、鼻呼吸しながら1時間半のヨーガのポーズ、20分~30分の瞑想。終わった後は心穏やか、頭スッキリとクリアな状態になるまで1か月以上かかった。
  • 毎朝、瞑想を続けていくうちに、何かをしゃべるときに、これは今言っちゃダメだろうということが、以前より明確にわかるようになった。
  • 食事にも変化があった。食べなくても飲まなくても、それが体にいいかどうかが感覚的にわかるようになった。
  • ヨーガを始めてから、お酒を飲まなくても十分に充実した日々を送れるようになった。
  • 食事は1日1食の朝のみ。玄米菜食。体が歓喜する食事は何かを追い求めている感じ。
  • 1週間分の作り置き料理を自分で作っている。8~9種類のおかずを週に1度、まとめて作り、それを毎日少しずつプレートに載せて、玄米と一緒に食べる。
  • 食事の前にたっぷりの果物を食べる。フルーツ5~6種類。野菜玄米を食べて、最後は種実を食べる。くるみ、ごま、カシューナッツ、アーモンド、ドライフルーツ。最後はお茶を飲んで終わり。

2章 画家として立つ

  • 40代が不安になり、座禅を組みに京都の寺に行ったこともある。何も解決しなかった。
  • とりあえず鉛筆で絵を描いた。次は墨と顔彩で絵を描いた。絵は上手に書こうとしたらダメ。
    感じたところをデフォルメして、特徴だけポンと書く。
    ※デフォルメ=美術において対象を変形させて表現すること。自然の形にゆがみを加えて表現すること。
  • 苦手な部分に直面したら克服しないと、同じところでまた躓く。
  • 絵は下手でいい。上手に書こうとしなくていい。絵や書をやってみたい人へ。ただ、やってみるしかない。
  • 好きなものを自由に描いて、失敗しても投げない。人の言うことなんかにめげない。描き続ける以外に近道はない。

3章 思いを実行に移す

  • 好きなものがあるのは強い。何かを会得するためには反復練習しかない。

4章 どうやって身を立てるか

  • 何かごちそうになる時はメニューの最初に書いてあるものを頼みなさい。
    一番安いものをいただきなさい。
  • メニューの真ん中以降に書いてあるものは決して頼んではいけない。

5章 自分の魂を喜ばせるために何をするか

  • 家庭持ちの男性の中には、生活の安定のためにはこのままでいるのが一番、家族を養うためには一定の収入を得なければならない。そういう気持ちに囚われている。
  • 意に沿わない仕事も引き受けるのが家族のため。歯を食いしばって頑張るのが人生。それが当たり前と思っている。そうやって、いつの間にか自分のやりたいことから遠ざかって、魂の歓喜しない状態が続いている。表情も陰気くさくなる。
  • もっと根源的に自分の魂を喜ばせるために何ができるかを追い求める。
  • 本来であれば、年齢を重ねるごとに何かが蓄積されて、キャリア的にメンタル的に豊かになっていくはずなのに、いつまでも同じ場所にいてただ消耗していくような感覚。河の流れにどんどん流されているような感覚。
  • このまま続けていると、人間としての厚みのようなものが増していかないのではなかろうか。
  • 身長161㎝、体重65㎏のブクブクと浮腫んだ体をした男。酒と焼き肉とラーメン。毎晩のように夜遅くまで飲んで食べてという生活。
  • もっと自分を律して、自分の実力で、自分の求める人格として、男として生きたい。
  • 仕事やお金もあって仲間もいるけれど、自分の魂は全然歓喜しない。
  • どんなに小さな河でもいい、たとえ獣道でもいい。自分の道を探そう。

6章 新たなことをはじめる勇気

  • 初めて役者として表現をさせていただく機会を得た時に、自分のやりたい仕事だと実感が湧いた。
  • バラエティの仕事は自分の河ではないとわかっていた。その時に自分の河として選択したのが、プロボクサーのライセンスを取ることだった。
  • 子供のころからテレビで見て胸をときめかせていたのはお笑い番組とボクシングの試合中継だった。
  • 服を脱いだ時は、バチっと締まっていて彫刻されたような体でいたいというのが、男としてのひとつの美学。
  • 太田プロダクションの副社長に役者・ボクシングを目指すことに反対された。収入は5分の1になる。魂はお金ではちっとも喜ばない。
  • 精神を学びたければ、まず型から入る。型より入りて、型より出ずる。能の達人、世阿弥の言葉。
  • 1日5食、6食食べていたが、1日2食に切り替えた。朝はごはんとみそ汁と野菜たっぷり。昼はそばかうどん、夕食はカット。ビールと油物は一切やめて、大好きなとんかつも唐揚げも封印した。
  • 半年後に体重が8㎏減少。65㎏から57㎏まで落ちた。
  • 反復練習で種に水をやる。
  • 1日5時間も6時間も練習した。
  • 通常のボクシングの練習はついていけなかったので、他の人よりも3倍、4倍も反復練習をするしかなかった。
  • 毎日、毎日繰り返して反復練習して、はじめて跳べるようになる感覚がわかった。
  • ライセンスを取るまでの1年間、夜遊びは一切やめ、1日たりとも練習を休まなかった。
  • 何ごとも上達には反復、反復、反復
  • 自分の笑いは誰かに扮することで笑いを取る。素の状態でどんどん笑いをけん引していくタイプの芸人ではなかった。
    自分を分析して、選択したのが役者の道。役を演じることで、魂は歓喜していた。
  • 芸人・ボクシング・画や書・ヨーガ、好きなことができたのは、常にひとりで自分の心と対峙して決断してきたから。
    そういう環境に私を置いてくれた家族がいたから。
  • みんながやりたいことをして、お互いの存在を認め合いながら、家族であり続けている。
  • たとえ会社で偉い地位についたとしても、家ではそれは通用しない。肩書にぶら下がっているほど格好悪いことはない。

おわりに

  • もしも小さなシードの存在に気づいたら、水をやり、声をかけ、慈しんで育てること。
  • 失敗してもめげず、周りの人が何と言おうと振り回されず。
  • 汝の立つところ深く掘れ、そこに必ず泉あり