著者は松下健二。2020年9月30日 初版発行。
心に響いた言葉
はじめに
- 病は口より入り、災いは口より出ず
病気は飲食物の不注意から、災いは不用意な言葉から生じる。 - 歯磨きは口の中の細菌を減らす。
虫歯や歯周病を防ぐ。
それによって引き起こされるさまざまな病気を予防する。 - 歯ブラシは2センチ以下。ペングリップで持つ。
第1章 歯磨き時の出血はこんなに危ない
- 歯周病とは?
歯と歯茎の溝にプラークが蓄積する。
プラークの中に棲む歯周病菌の毒素や酵素が歯肉に入る。
異物除去のため血管が拡張して血漿成分が漏れ出す。
少し遅れて毒素や細菌を排除するため白血球が集まる。
この状態が長く続くと破骨細胞によって歯槽骨が破壊される。
第2章 歯茎の出血が引き起こす菌血症とは?
- がんや肺炎、糖尿病などが重症化した場合など体の中に侵入した細菌が増殖して、血液を巡り全身に広がって、全身に重篤な炎症を引き起こすことが敗血症という。
- 粘膜や皮膚に傷ができると、血管の中に細菌が侵入することがある。これが菌血症という。
血管の中に入った歯周病菌は全身を巡り、さまざまな臓器に影響を及ぼす可能性がある。 - 虫歯菌は歯の表面、歯周病菌は歯周ポケットに棲み分けしている。
- 歯周病菌はたんぱく質が大好き。
歯肉もコラーゲンというたんぱく質なので、分解されて破壊される。
第3章 口から腸に達した歯周病菌が招く全身疾患
- 歯周病菌が体内に入るルートは2つある
出血により血管から侵入するルート
口から直接喉を通り、気管や消化管を介して血管に入るルート - 口の中の細菌種の約半数が腸の中にも生息している。
食片に紛れて生き延びる場合がある。
体調が悪くて胃酸や消化酵素の分泌が悪い場合、
食後の胃酸の酸性度が低下している場合、口腔細菌が腸に達する場合がある。 - 歯周病菌が腸管に侵入して菌血症が起こり、全身に影響を及ぼす。全身の臓器に影響が出ると多臓器不全になる。