著者は尾形哲。2024年11月25日 第1刷発行。

心に響いた言葉

はじめに

  • 生体肝移植でドナーの肝臓を7割切除しても、残った3割の肝臓が3か月で元の大きさに再生する。
  • 脂質の摂取は肝機能に大きな影響はしない。
  • 肝臓に悪い飲み物
    加糖炭酸飲料
    スポーツドリンク
    100%果汁ジュース
    乳酸菌飲料
    加糖コーヒー
    野菜ジュース
    エナジードリンク
    甘いアルコール飲料
  • 脂肪肝を治すのはとくかくダイエット。甘い飲み物をやめる。

第1章 早死にするのが嫌ならいますぐ脂肪肝を治しなさい

  • 肝臓は本来、脂肪がたまってはいけない場所
  • 皮下脂肪がいっぱいになると内臓脂肪。内臓脂肪がいっぱいになると異所性脂肪。
    異所性脂肪は筋肉・肝臓・膵臓・心臓などの臓器に蓄積する。
  • 肝臓は代謝・免疫・解毒の機能あり。
  • 代謝は炭水化物をブドウ糖に分解して、グリコーゲンに分解されて、グリコーゲン貯蔵庫に保存される。
    貯蔵庫がいっぱいになると中性脂肪に変換される。
  • 中性脂肪が皮下脂肪や内臓脂肪にたまって、満杯になると肝臓内に脂肪がたまる。
  • 脂肪肝の肝臓の細胞はラーメンのスープに浮かんだ油のような丸い粒々が細胞内部に溜まっている。
  • 日本人の約4000万人が脂肪肝。
  • 脂肪肝は肝臓に5%以上の脂肪沈着した状態。
  • 通常のエコー検査では、肝臓に30%以上脂肪が蓄積しないと検出は困難。
  • 脂肪肝は幹細胞に中性脂肪が溜まった状態。
  • 脂肪肝炎は脂肪肝に炎症と線維化が起こる病気。
  • 肥満気味の体系の人は99%の確率で脂肪肝。
  • 痩せているのに脂肪肝は筋肉量の少なさが影響している可能性あり。
  • 筋肉が少ないとグリコーゲンを貯蔵しにくく、中性脂肪に変換されやすい。
  • 脂肪肝 ⇒ 脂肪肝炎 ⇒ 肝硬変
  • 脂肪肝は黄色信号、脂肪肝炎は赤信号。
  • 脂肪肝炎の修復再生のプロセスで肝硬変が進行する。
    炎症で壊れてファイバーで修復を繰り返すと肝硬変になる。
  • 肝硬変では幹細胞の破壊と再生が繰り返されて、細胞のターンオーバーが激しく、ミスコピーが起きやすくなる。
    がん細胞が生じやすくなる。
  • 脂肪肝が万病のもと。
  • 糖尿病を発症するカギは、内臓脂肪ではなく、脂肪肝の有無である。
  • 糖尿病の合併症をこじらせた先には、壊疽・失明・透析といった重大リスクあり。
  • インスリンは、血液中のブドウ糖を体中の細胞に送り届ける。インスリンが出ると血糖値を下げてくれる。
    またインスリンは体内に余ったブドウ糖を中性脂肪に変える。

第2章 甘い飲み物が肝臓を殺す

  • 何か1つでも健康にいいことを始めようというのであれば、迷うことなく、甘い飲み物をやめること。
  • 脂肪肝の形成につながるのは脂肪よりも糖。ブドウ糖 ⇒ 中性脂肪に変換される。
  • フォアグラは人為的に脂肪肝にしたガチョウの肝臓。
    ガチョウに柔らかく蒸して消化よくしたトウモロコシのエサを1日3回、専用の漏斗で強制的にガチョウの胃に流し込む。
    エサは初めは1回250gにして、徐々に増やして500gにする。
    ガチョウの肝臓はわずか1か月で2㎏になる。
    脂肪でパンパンに膨らんだ肝臓=フォアグラのできあがり。
  • トウモロコシの粒はほとんど糖質。
    トウモロコシのでんぷんは、小腸でブドウ糖に分解されて、血液中に入って、インスリンの働きで全身の細胞に使われる。
    余分なブドウ糖はグリコーゲンに変換されて、エネルギー不足になったときの蓄えとして筋肉や肝臓にストックされる。
    ガチョウの場合、ろくに運動もしないのでエネルギーをグリコーゲンにして保管しておく筋肉や肝臓の一時保管場所もいっぱいになり、肝臓に居場所を求め中性脂肪に居場所を求め、日々脂肪が溜まる。
  • 炭酸飲料・果物・野菜ジュース・スポーツドリンクの甘い飲み物をがぶ飲みすると、無自覚のまま肝臓フォアグラ化へ突き進む。
  • 果糖こそは健康に害を及ぼす悪玉糖である。ただし、フルーツをそのまま皮をむいて食べたりする分には大きな問題はない。少量のフルーツを食べることは健康に良い。
  • フルーツから繊維を取り去ってゼリーや液体にしてしまうと、とたんに肝臓に直接大ダメージをもたらす恐ろしいヤツに変身する。
  • 果糖は肝臓だけでしかエネルギーにならない糖。果糖はブドウ糖以上に肝臓を急激に脂肪化させ、肝細胞にも直接ダメージを与えて障害をもたらす。
  • 果糖ブドウ糖液糖は肝臓にとって毒。
  • 果糖は、ブドウ糖よりも肝臓内の脂肪蓄積を進行させやすく、脂肪化する量も多ければ、脂肪化するスピードも速い。
  • 普段から過剰に果糖を取っていると、超高速で、容赦なく、大量の脂肪が作られて、肝細胞が脂肪でパンパンに膨らんでしまう。
  • 果糖は肝臓を破壊してしまうダメージインパクトは誘導ミサイル。果糖に比べてブドウ糖の攻撃力はだいぶ規模が落ちる。
  • ブドウ糖は歩兵。果糖は誘導ミサイル。液体のブドウ糖は歩兵の精鋭部隊。フルーツを固形のままゆっくり食べるのは、全身をゆっくり巡るブドウ糖歩兵部隊。
  • 固形状態でフルーツを食べると、入ってくる果糖の量は割と少ない。また固形で食べると、糖の吸収を抑える食物繊維が多く含まれるので、比較的ゆっくり少しずつ吸収される。
  • 果糖を少なめの量をゆっくり吸収した場合、小腸細胞の作用によってブドウ糖に変換される。
  • 果糖ブドウ糖液糖は果糖の割合がブドウ糖より多い。50%以上90%未満。
  • 果糖ブドウ糖液糖は、
    ①砂糖よりはるかに安い
    ②砂糖より甘みが強く、少量加えるだけでよい
    ③液体のため、まぜて加工しやすい。
  • 果糖ブドウ糖液糖入りオレンジジュースや100%オレンジジュースは果糖という毒を大量に搭載した誘導ミサイル。
  • ブドウ糖のジュース ⇒ 血糖値が急激に上昇 ⇒ インスリン分泌 ⇒ ブドウ糖が中性脂肪に変換 ⇒ あふれた中性脂肪が肝臓に溜まる
  • 果糖のジュース ⇒ 少量の果糖であれば、小腸でブドウ糖に変換される ⇒ キャパを超えた大量の果糖はダイレクトに肝臓へ ⇒ 肝細胞のミトコンドリアの機能障害 ⇒ 果糖が中性脂肪に変換 ⇒ あふれた中性脂肪が肝臓に溜まる。
  • 雨だれ石を穿つ(うがつ)
    小さな物事でも長年積み重ねなると大きな災いに発展してしまう。
  • 毎日欠かさず飲んできた乳酸菌飲料や、野菜ジュースは小さなダメージが積み重なって、肝機能をぼろぼろに破壊する。
  • スポーツドリンク・経口補水液は糖尿病を悪化させる。脂肪肝になる。水やお茶で十分。
  • こまめに水やお茶を飲んでいれば、たくさん汗をかいても熱中症や電解質異常も心配ない。
  • 野菜ジュースはダメ。1パックで必要な野菜の量が取れると書いてあっても肝臓に悪い。食物繊維を含んだ状態で摂るのが基本。
  • 乳酸菌飲料は糖質高くて、肝臓に悪い。腸へはメリットあっても、肝臓や糖尿病にデメリット。
  • コーヒーのカフェインに糖がプラスされると、より血糖値が上がりやすくなってしまう。
  • エナジードリンクは糖とカフェインが含まれるので、血糖値が上がりやすい。エナジードリンクに頼らない疲労回復手段を考えるべき。
  • ゼリーやプリン・パウチゼリー・アイスクリーム・シャーベットは甘い飲み物と同様、ブドウ糖と果糖が直接小腸に届く。精鋭歩兵部隊か誘導ミサイル。
  • ヨーグルトを食べるのなら無糖。はちみつも砂糖と同じ。ブドウ糖と果糖が1対1。精鋭歩兵部隊と誘導ミサイルで肝臓にダメージ。
  • 大量飲料メーカーのご機嫌を損なわないように、甘い飲み物に関するマイナス情報はテレビなどでは取り上げない。
  • 長い人生で肝臓を守っていくには引き算が大事。体に悪いものを少しでも減らそうとする引き算の感覚が大切。

第3章 肝臓から脂肪を落とすスマート・メソッド

  • 7%減量で、肝機能が青信号に変わる。脂肪肝や脂肪肝炎が改善する。
  • 10%減量で、糖尿病や肝臓の線維化が改善する。
  • 筋肉量が落ちると脂肪をストックしておく倉庫の量が少なくなる。負担が肝臓にかかる。
  • 牛乳や豆乳を日常的に摂取するのは避けた方がよい。牛乳や豆乳は乳糖が含まれている。カロリー量も多い。
  • 人工甘味料を使った甘い飲み物はNG。
  • 3つのルール
    ①飲み物は水・茶・ブラックコーヒー
    ②ごはんの量は半分
    ③野菜はいままでの2倍食べる
  • 5つの習慣
    ①たんぱく質をしっかりとる。大豆・魚・鶏肉優先。
    ②超加工食品は減らす(スナック菓子・カップ麺・菓子パン・ケーキ・クッキー・ドーナツ・チキンナゲットなど)
    ③水を1日1.5リットル飲む
    ④夕食を早めにとって空腹の時間を長くする
    ⑤1日10分以上の運動をする。
  • 常備したいたんぱく質・神セブン
    納豆
    豆腐
    ゆで卵(1日2個まで)
    サラダチキン
    ツナ缶
    サバ缶
    チーズ(ナチュラルチーズがおすすめ)
  • 牛肉や豚肉は飽和脂肪酸が多く含まれる。肝臓に大きな害はないが、脂肪分を少なく抑えておいた方がよい。
  • 食事前に水を飲むと、血液中の塩分濃度が下がり、同じものを食べても脂肪が蓄積しにくくなる。
    飢餓状態と同様に脱水状態でも脂肪を貯めようとする。
  • 糖新生は、空腹状態が長く続いて細胞のエネルギーが枯渇すると、蓄えた脂肪や筋肉を分解・変換してブドウ糖を作る。
  • 夕食から朝食まで12時間開ける。
  • インターバル速歩:3分早歩き、3分ゆっくり歩くを3セットの18分やるのが良い。
  • 減量すると体内の脂肪は、肝臓内の脂肪 ⇒ 内臓脂肪 ⇒ 皮下脂肪の順番で落ちていく。落ちていくときは逆になる。

第4章 肝臓こそすべて

  • 肝臓の健康を長くキープするには、肝臓に悪いものをできるだけ減らす。
    甘い飲み物をやめる。ごはんやお菓子の量を減らす。超加工食品を買わない。足し算ではなく引き算の発想で。
  • 腸活=肝活
  • 筋肉をつければ脂肪肝も糖尿病も怖くない。
  • やせの脂肪肝の人は減量よりもまず運動
    筋肉量が少ないと糖質の貯蔵できる量も少なくなる。
  • 脂肪肝は足るを知るを忘れ去った現代人が生み出した病気。
  • 肝臓は、人をよみがえらせる臓器、見た目の若さもよみがえらせる臓器。

おわりに

  • 肝臓は年を取らない。
  • 80歳の年寄りでも、10代20代の若者のような健康な肝臓を持っている人もいる。
  • 脂肪肝・脂肪肝炎、軽度の肝硬変は自力で回復可能。
  • 筋肉と肝臓は80歳、90歳になっても鍛えれば大きくなる年齢に逆らって若返らせることができる器官。
  • 甘い飲み物を飲む習慣をやめる。毎日の食事から悪いものや余計なものを排除する。