著者は足立武志。2015年6月25日 第1刷発行。2023年7月13日 第13刷発行。
心に響いた言葉
はじめに
- 素人がファンダメンタル分析をしてもプロ投資家から一部しか過ぎないといわれるだろう。
プロ投資家の方が精度が高い。 - ファンダメンタル分析の精度の差を埋めることが、株価チャートを用いた分析になる。
- 個人投資家はファンダメンタル分析で銘柄を選び、株価チャートで売り買いのタイミングを計る。
- やる気さえあれば、誰でもマスターすることができる。
序章 なぜ株価チャートが重要なのか?
- 個人投資家は想像し、プロ投資家は予測する。情報量の差は埋められない。
- 個人投資家が知れる情報は、会社四季報、決算短信、有価証券報告書、企業のホームページなど。
プロ投資家はアナリストが企業訪問、経営者に直接インタビュー、独自の企業情報収集。時間をかけて調べることができる。 - 相場は相場に聞け。
下がったとき、自分の予測は間違っているのではないか?
常に謙虚でいること。
第1章 株価チャートのしくみを知ろう
- 株価が移動平均線より下にあると、投資家は平均して含み損である。
25日移動平均線より下にある時は、25日間の間に購入された株価の平均は損失を抱えている。
13週移動平均線(91日間=約3か月)より下にある時は、3か月間の間に購入された株価の平均は損失を抱えている。
12か月移動平均線より下にある時は、1年間の間に購入された株価の平均は損失を抱えている。
株価が回復したら速く売りたい。 - 下降トレンドの銘柄は売る。
下降トレンドは売り圧力が強まる ⇒ 下がりやすい
上昇トレンドは売り圧力が弱まる ⇒ 上がりやすい - 買いのタイミングの基本ポイント
①株価が上昇する可能性が高いこと
上昇トレンド + 株価が移動平均線の上
②できるだけ安く買うこと
③損切り価格が明確かつ客観的に設定 - 押し目:上昇トレンド中の一時的な下げ
だまし:保ち合い時にだましが発生する。移動平均線に基づいた売買とは反対の動きをすること。
第2章 買いタイミングを見極める。
- 上昇トレンドは、新規買い。持ち株は保有継続。
- 下降トレンドは、持ち株売却。新規買いは見送り。
- 買いのタイミングの基本ポイント
①株価が上昇する可能性が高いこと
②できるだけ安く買うこと
③損切り価格を明確かつ客観的に設定できること - 買いのタイミング
①上昇トレンドの転換直後
日足チャートだと、ダマシのリスクあり。
安値圏で買うことが可能。
②押し目をつけた後の反発局面
押し目は上昇トレンド中の一時的な下げ。
押し目が移動平均線より下で買うとダメ。さらに下がるかも?
押し目から移動平均線を株価が超えたら買う。
※押し目待ちに押し目なし。
③直近高値を超えた直後
直近高値を超えた銘柄で移動平均線の乖離が小さいものを買う。
移動平均線から離れていないとまだ利益は大きく出ていないため、売り圧力は低いかもしれない。
④上記以外で上昇トレンド&移動平均線との乖離していないのなら、買いOK。 - 下降トレンドの買いのタイミング
①底値から数%反発した時点で買う。
底値を下回ったら損切。本当の底値ではない可能性あり。
②二番底から数%反発した時点
二番底または底値までの距離が小さいときは、底値で損切する。
上昇トレンドを待ってから購入する方が良いときもある。
③移動平均線を下回る状態で、直近高値越え
二番底・底値で損切 or 10%下落したら損切り
上昇トレンドを待ってから購入する方が良いときもある。 - 急落時のリバウンドを狙う
日経平均株価の25日移動平均線からマイナス10%超
個別銘柄の25日移動平均線からマイナス30%超
25日騰落レシオの60%割れ
※騰落レシオ=一定期間の値上がり銘柄 / 値下がり銘柄 x 100 - 25日移動平均線の代わりに5日移動平均線を基準に上昇トレンドとなったら買う方法
- 底値のときに現れやすいローソク足は、大陽線と長い下ひげ
- 1本目が陰線、2本目が陽線の組み合わせも底打ちの可能性あり。
⇒ 1本にすると長い下ひげになる。
切り込み線
たすき線
つつみ線 - 3本のローソク足で判断する。
大陰線+長い下ひげ+大陽線
第3章 売りのタイミングはこれ!
- 売りのタイミング
①株価が移動平均線を明確に割り込んだ時
②株価が移動平均線より下、移動平均線が下向き
③株価が移動平均線より下、移動平均線が下向き、直近安値割れ
⇒①で売却するのがおすすめ - 寄付き:前場と後場の最初の取引のこと
- 株価が下降トレンドにある間は、さらに株価が値下がりする可能性があるため、原則として株は保有しない。
- 移動平均線を使用しない場合、直近安値割れは上昇トレンド終了のサインと判断する。
- マーケット全体として調整局面が続きそうだと感じたら、移動平均線割れを待たずに直近安値割れで売却するのも一法。
- あらかじめ直近安値で逆指値をしておけば、翌日の寄付きで売却するより損失を減らすことができる。
- 25日移動平均線との乖離が50%超えて株価が2倍になったら、持ち株を半分売却するなど。
株価が3倍になったら1/3売却するなど。 - 天井形成時に出現しやすいローソク足
大陰線
長い上ひげ - 2本の場合、1本目が陽線、2本目が陰線の組み合わせ
かぶせ線
たすき線
つつみ線
1本に表すと長い上ヒゲ - ローソク足3本で判断する。
大陽線+長い上ヒゲ+大陰線
かぶせ線+大陰線 - 株式投資では主観は一切通用しない。
売買ルールに主観を取り入れない方法を採用すること。 - 買値からの下落率はマーケットと何も関係性がないため、客観性に劣る。
- 移動平均線から大きく乖離した局面で買うのは得策ではない。
- 買値から下落率を用いた損切りをする羽目にならないようなタイミングで買うこと。
- ファンダメンタルの変化で損切は遅い。プロよりも情報を得るスピードは遅い。
- 高成長が評価されて株価が大きく上昇する銘柄は、たとえ毎年業績がのびていても、業績の伸び率がピークに達すると天井をつけやすい。
- ファンダメンタルだけで空売りしない。
株価上昇の背景に自分の知らないような好材料が隠されているかもしれない。 - 買いエネルギーが優っている上昇トレンドで逆張りの空売りはリスク高い。
第4章 もっと知りたい!株価トレンド分析
- 株価が移動平均線を超えた、割り込んだタイミングがトレンド転換のサイン
どのようなローソク足の形状で超えているかが重要
移動平均線の乖離率が最低1%、できれば2~3%の乖離が必要。 - 移動平均線を超えた陰線のローソク足の全部を株価が上回り、かつ移動平均線からの乖離率が2%以上なら買い。
逆に、移動平均線の陽線の全部を株価が下回り、移動平均線からの乖離率が2%以上なら売り。 - ダマシ:株価がトレンド転換したように見えたものの、すぐにトレンドが終了してしまうこと。
- 月足チャートは各銘柄の大局的なトレンドを見るためには有用。
月足チャートが上昇トレンドの銘柄を選ぶと、上昇の期待が大きい。 - 明確なトレンドが生じない場合、直近高値を超えた時に買う。
- 日足チャートで購入した後、週足チャートも上昇トレンドになったら、週足チャートで売買判断するのも良い。
- 月足チャートも上昇トレンドになったら、月足チャートで判断しても良いが無理に使わなくてもよい。
- 押し目待ちに押し目なし。
株価と移動平均線の乖離があまり縮小しないまま、株価上昇するケース - 順張りの成功率は30%
強気相場では株への配分は多めに、弱気相場では株への配分は少なめ - 株価購入時に、売買高の動向は注意すること。
売買高が膨らんでいる時は、高値掴みした投資家が大勢いる。
ある程度株価が上がっても高値掴みの売り攻撃で、株価上昇が抑えられる。 - 突発的な高値+売買高急増があれば、株価は上がりにくい。
- 信用取引は現金や持ち株を担保に最大3倍の額の株取引ができる精度。
信用買いは原則6か月以内に返済売りをする必要ある。 - 信用倍率 = 信用買い残高 / 信用売り残高
1.5倍より小さいと需給は良好。 - 信用残高が多い場合は、売り長と呼ばれる。
売り長は信用倍率が1倍以下。