著者は栗原毅・栗原丈徳。2024年12月5日 第1刷発行。

心に響いた言葉

はじめに

  • 脂肪肝:肝細胞内に主に中性脂肪、脂質、糖質が過剰に蓄積した状態
  • 脂肪肝の原因は糖質の摂りすぎ、果糖も大きくかかわっている。

第1章 軽く見てはいけない脂肪肝

  • 肝臓の最も重要な化学反応は、代謝・解毒・胆汁の生成。※甘い飲み物が肝臓を殺すでは代謝・免疫・解毒だった。
  • 代謝は、分解・合成・貯蔵。アミノ酸からたんぱく質を合成。糖質からグリコーゲンに変えて貯蔵。脂質をコレステロールや中性脂肪に変えて血液中に放出。ビタミンやミネラルを合成・分解して各組織へ送る。
  • 解毒は、アルコールやアンモニアなどの有害物質を分解・解毒化して、尿や胆汁へ排出する。
  • 胆汁の生成は、脂質や脂溶性ビタミンの消化を助ける消化液(胆汁)を作る。胆汁を介して老廃物を対外へ排出する。
  • 500mlビール1本でアルコール20g。1日60g以上のアルコールを取るとアルコール性の脂肪肝になるリスクあり。
  • NASH(ナッシュ)=非アルコール性脂肪肝炎。お酒を飲まない人でも脂肪肝になる。
    ⇒ MASH(マッシュ)=代謝機能障害関連脂肪肝炎。
  • NAFLD(ナッフルディー)=非アルコール性脂肪肝疾患。
    ⇒ MASLD(マッスルディー)=代謝機能障害関連脂肪肝疾患。

第2章 脂肪肝と無縁な人はほとんどいない

  • 非アルコール性脂肪肝は炭水化物の過剰摂取が大きな原因。
  • 毎日遅くまで飲酒して、締めのラーメンを残さず食べるという生活を1週間続ければ、脂肪肝になる。
  • ブドウ糖 ⇒ グリコーゲン ⇒ グリコーゲン貯蔵量がいっぱい ⇒ 中性脂肪を生成 ⇒ たんぱく質と結合してVLDL(超低密度リポたんぱく)に一時的に変換 ⇒ 血液で全身(筋肉)に送る ⇒ VLDLを作る力が許容オーバーだと中性脂肪はそのまま肝臓に蓄えられる。
  • 脂肪 ⇒ 脂肪酸とグリセリンに分解 ⇒ 腸に吸収される際、中性脂肪になるが、カイロミクロンになる。
    カイロミクロンはすでにリポたんぱく質の状態なので、そのまま全身に送り出される。
    脂質は細胞を作ったり、ホルモンを作る材料になるので、余ることは少ない。
    脂肪は取りすぎても肥満の原因にはなりにくい。
  • たんぱく質もアミノ酸の形で肝臓に運ばれる。ブドウ糖に変換される。たんぱく質の摂りすぎも脂肪肝になる可能性あり。
    たんぱく質は筋肉を作る材料になる。
    激しい筋トレをしないのに、濃度の高いプロテインを大量に摂取すると脂肪肝の原因になる。
  • ごはん・パン・麺類は炭水化物が多い。
  • 糖質を全くとらなくなると、全身の中性脂肪が肝臓に集まって、低栄養性脂肪肝といわれるダイエット脂肪肝になる。
  • 糖質を一切取らないと、体はやせるかえれど、肝臓は太る。
  • BMI = Body Mass Index ボディマス指数。体の大きさを表す指数。
  • 果糖は一定の範囲内であれば小腸で処理されるが、処理能力を超えて摂取すると直接肝臓へ行って中性脂肪になる。
    血糖値を上げることはないが、中性脂肪に変わる。
  • 果糖はたんぱく質を劣化させてAGEs(終末糖化産物)という老化物質を生成する。
    果物も多く取りすぎると毒になる。

第3章 怖い脂肪肝も意外なくらい治しやすい

  • ALT/ASTともに16UL/Lを超えると脂肪肝の可能性あり。
  • 健康な肝臓の中性脂肪は肝細胞の3~5%程度。5%を超えれば脂肪肝という声もある。
    ALT・ASTが20UL/Lを超えた場合、隠れ脂肪肝として、早急に対策を始めること。
  • 脂肪肝を治すのに薬はいらない。原因を取り除けば十分に改善する。
  • 外食や弁当・惣菜を買うとき、糖質量が少ないものを選ぶようにする。カロリーは気にしなくてよい。
  • 炭水化物で表示されるものもある。炭水化物から食物繊維を抜いたものが糖質量。
  • 野菜をあまり含まない場合は、炭水化物量のほとんどが糖質量になる。
  • ラーメン+ライスやラーメン+チャーハン、うどん+おにぎりなど炭水化物同士の組み合わせはNG。
  • 1日のうち、体重と同じ数字のグラム数のたんぱく質を摂取するのが理想。
  • 食品からとったコレステロールと血中のコレステロール濃度には因果関係はない。1日2~3個たまごを食べても問題ない。

第4章 血糖値を上げない工夫で脂肪肝はどんどん改善する

  • 食事をするときはゆっくり食べること。朝食20分、昼食25分、夕食30分程度が目安。
  • 1口につき30回噛むようにすれば、自然と早食いは防げる。
  • 夕食は午後7時までに取り終えるの理想的。消化には3時間かかる。夜10時から翌朝2時は中性脂肪を生成する働きが活発化。
  • サラダを先に食べるのが良い。キャベツやレタスなどの葉野菜がおすすめ。根野菜は糖質量高めなので先に食べない方が良い。
  • チャーハンやバターを塗ったトーストは、白いごはんや何も塗らない食パンより、血糖値の上昇速度が遅くなる。
  • 生活習慣病を防ぐといわれているオレイン酸を豊富に含むオリーブオイルがおすすめ。酢も糖質の吸収を抑える。
  • コーン油、ごま油、大豆油はオメガ6系脂肪酸が多く含まれていて、インスリンが効きづらくなる。
  • 果汁100%ジュースは脂肪肝が一気に悪化する。果物は嗜好品。ほどほどの量を空腹時に避けて食べること。
  • 異性果糖(ブドウ糖果糖液糖(果糖50%未満)・果糖ブドウ糖液糖(果糖50~90%))は肝臓の最大の敵。
  • ブドウ糖果糖液糖は砂糖より安いので、スポーツドリンク・菓子パン・お菓子・焼き肉のたれ・ポン酢・調味料・ドレッシング・納豆のタレに至るまで使用されている。
  • 肝臓との最大の敵・異性果糖であるブドウ糖果糖液糖や果糖ブドウ糖液糖は距離を置く。
  • 緑茶は糖の吸収をおだやかにして、中性脂肪の燃焼を促す作用がわかっている。濃い目に入れて100mlくらい目安に飲むとよい。
  • ビール瓶2本、日本酒なら2合、ワインならグラス2杯程度なら毎日飲んでも脂肪肝のリスクなし。休肝日は不要。
    ⇒ 本当にそうなのだろうか・・・毎日ビール瓶2本は異常だと思うが・・・またアルコールには依存症になるリスクもはらんでいる。毎日飲酒は良くない。お菓子もそうだが、依存症のあるものを少量取っていいとなると、少ししか食べないストレスもあって、逆に血糖値が上がるのではないか?甘いお菓子やスナック菓子は食べない方がいいし、食べないとストレスも徐々になくなるだろう。逆に習慣的に食べていて、食べなくするなどはストレス増えて、血糖値も上昇すると思う。
  • 高カカオチョコレート70%程度が、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、鉄、亜鉛、銅などのミネラルを豊富に含んでいるので良い。便通改善。寝つきが良くなる。

第5章 脂肪に効くオーラルケアと運動習慣

  • 歯周病菌は常在菌だが、酸素が苦手。ある種の口腔内細菌の一部は胃酸では死滅せず、腸まで達する。
  • 歯周病菌などの口腔内細菌は、唾液の自浄作用や抗菌作用が低下するため、寝ている間に最も増殖する。
  • 夜の間に増えた細菌を早めに取り除くため、朝起きたらすぐに歯磨きをする。舌磨きは1日1回、起床後に行うだけで十分。
  • コップ一杯の水を飲む前に口腔内細菌を体の中に送り込まないために、必ず歯を磨く。
  • 夜寝る前の歯磨き、起床後すぐの歯磨きがとても大事。

第6章 多くの誤解が人々の健康を脅かす

  • 果物に含まれている果糖は、肝臓に悪い。
  • 異性果糖である果糖ブドウ糖液糖は肝臓の最大の敵。ブドウ糖果糖液糖も果糖の割合が50%だが、危険。
    砂糖より安価だが、直接肝臓にダメージを与える。
    砂糖はブドウ糖と果糖からなる二糖類。
  • 単糖類は小腸での吸収まで数分。二糖類の砂糖などは吸収まで10分~1時間と二糖類は吸収まで時間がかかる。
    果糖ブドウ糖液糖よりも砂糖の方が血糖値の上昇が遅いので良いのだろう。
  • 糖尿病が生活習慣である限り、食習慣・生活習慣を改善しない限り、根本的な原因は取り除けない。
  • 糖尿病の原因は、糖質の過剰摂取なのに、いまもカロリー制限されているのはおかしい。
    糖質の少ない食べ物で脂質より炭水化物を多く選べば、糖質の過剰摂取になる。

おわりに

  • 格差社会が脂肪肝の患者を増やしている。異性化糖は価格を抑えるために使用されている。
  • 糖質より価格が高い肉・魚・乳製品が逆に不足している。
  • 鶏むね肉などの比較的安くて良質なたんぱく質の摂取。
  • 5分でいいので筋トレを毎日実施する。10分程度の早足ウォーキングすることが重要。